万年筆は、使い込むほどに手に馴染み、 書き味が育っていく繊細な筆記具です。
その魅力を長く楽しむためには、 定期的なメンテナンスが欠かせません。
本記事では、初心者でもすぐに実践できる 「洗浄」「保管」「インク交換」の基本を、 わかりやすく解説します。

- ペン芯内部でインクが乾燥・固着する
- インクの種類を変えたことで成分が混ざり、詰まりが発生
- 長期間放置してインクが劣化
- 紙粉やホコリがペン先に付着して流れを妨げる
こうしたトラブルを防ぐには、 定期的な洗浄と、使わないときの適切な保管が大切です。
次のセクションで詳しく解説します。
👉 万年筆の書き方や持ち方のクセが原因になることもあります。 こちらの記事で正しいフォームを確認してみましょう。
一番のメンテナンスは「毎日少しでも書くこと」。
インクを流すことで固着を防げます。

- 水を入れたコップ
- 柔らかい布またはティッシュペーパー
- キャップと胴を外す
- 使用済みカートリッジを取り外す
- ペン先(大先)を水に浸けて、ひと晩放置
- 水道水で軽くすすぐ
- 柔らかい布で水気を拭き取る
スケルトン軸など透明な軸の場合は、 ペン先だけを水に浸けるのがおすすめです。
軸内部に水が残ると、 インクの流れに影響することがあります。

- ペン先を水に浸ける
- コンバーターのノブを回して水を吸入・排出(5〜6回繰り返す)
- ペン先を水道水ですすぐ
- コンバーターを外して、ペン先をひと晩水に浸ける
- 水気をしっかり拭き取る
洗浄後は、ペン先やコンバーターの水分をしっかり拭き取り、自然乾燥させることで、次回の筆記がスムーズになります。
👉 コンバーター式万年筆の使い方やインク選びについては、プロシオン徹底レビューでも詳しく紹介しています。

- 異なる種類のインク(染料→顔料など)を使う前には必ず洗浄
- インクを混ぜるのはNG。化学反応で詰まりや腐食の原因に
- インク瓶は直射日光を避け、冷暗所で保管
特に顔料インクや古典インクを使用する場合は、こまめな洗浄が必須です。
ペン芯にインクが固着しやすく、放置すると書けなくなる原因になります。

- 使用しないときはキャップをしっかり閉める
- 長期保管時はインクを抜いて洗浄してから保管
- 木軸や金属軸は湿気に注意。密閉容器や布袋で保管すると安心
書斎や引き出しなど、直射日光や湿気の少ない場所に保管するのが理想です。
ペンケースに入れておくのもおすすめです。

スリップシール機構付きのモデル(プレジール・プロシオンなど)は、乾燥しにくく初心者にもおすすめ。

万年筆は、使い込むほどに自分の手に馴染み、 書き味も変化していきます。
だからこそ、定期的なメンテナンスを通じて、 自分だけの1本に育てていく楽しさがあります。
まずは月に1回の水洗いから始めてみましょう。
少しの手間で、万年筆はどんどん自分の手に馴染んでいきます。
ぜひ、書くことの心地よさを長く楽しんでください。

